バラオンダ バリカ 2019

スペイン南東部、イエクラの品質をリードする造り手。 モナストレル種（= ムールヴェードル種）を主体とし、この値段でしっかりと樽熟成を経た赤ワインです。 非常に温暖な地でしか完熟しないモナストレル種の、厚みのある果実味、タンニンと酸のバランスが良く、長い余韻が楽しめます。

4世代に亘るワイナリー。いまは兄弟で

ワイナリーの歴史は1850年、ペドロ・カンデラ氏が自宅の一部に設けた小さなセラーで造ったワインを少しずつ販売し始めたことに始まります。 そして1925年、「ボデガス・アントニオ・カンデラ」として、自社畑でのワイン造りを始めます。

現在は4代目。カンデラ兄弟が、ワインの品質向上と、ファンの獲得を目指しています。 お兄さんは醸造学の道へ進み、現在、バラオンダの醸造長を務めています。 弟さんは、アメリカへ留学して経営学を修め、マドリッドで経営コンサルタントとして経験を積みました。

2人は、これまで代々築き上げてきた基盤をもとに、ワイン造りの哲学から見直しをかけました。そして、ワインの魅力を“デザインも含めてアピールする”ということをスタートします。

クオリティワイン「バラオンダ設立」

そして、2001年に新たに「バラオンダ社」が設立されました。 「地ブドウ、モナストレルの魅力を開花させること」、「最高の選果、最高の醸造と設備による“クオリティワイン”」これがバラオンダの使命です。

代々受け継がれたワイン造りへの情熱は、「バラオンダ」という形で新たな時代を迎えました。 これは一家にとって大きな転換であり、それゆえに多大なリスクを背負うことを意味します。 しかし、地ブドウとクオリティワインへの情熱、そして家族に支えられカンデラ家の若い世代の、新たな挑戦が始まりました。

コストパフォーマンスが凄い！

バラオンダのワインは、そのコストパフォーマンスの凄さが専門誌から高い評価を集めています。 著名評論家ロバート・パーカー氏の「ワイン・アドヴォケイト」では、「価格をはるかに超えた掘り出し物！」と絶賛されています。

「バラオンダ バリカ」は海外のコンクールで数々の金賞を獲得してきました。 専門誌の評価も、ワイン・アドヴォケイト92点（2010）、ジェームス・サックリング90点(2018)など、高評価を得ています。

モナストレルへのこだわり

地ブドウ、「モナストレル」はワイナリーが“私たちの女王”と呼ぶほど大切にしている品種です。 政府の減反政策や国際品種との競争が激しさを増す流れのなか、バラオンダがモナストレル種にこだわったのは、そのポテンシャルを熟知しているから。 そしてワイン愛好家たちがありきたりの国際品種には満足しなくなっていること、常に新しい“何か”を求めていることをアメリカの経験で体得していたからです。

年間300ｍｍという極端に少ない降水量、大陸性気候という条件に加え、他のモナストレルの産地と比べて標高の高いイエクラ、そしてそのイエクラでも更に高地に畑を所有（600～850ｍ）しているという好条件が揃い、数多く残る古木の畑に恵まれています。 受け継がれた財産を振り返ったとき、イエクラの、そしてバラオンダのテロワールに完璧に適応したこの地ブドウの素晴らしさを広めたい、という想いが確かなものとなりました。

優しい甘みと丸みのあるワイン

フルーティ、エレガント、複雑味、ストラクチャー。これら全てが「気楽なワイン」の中にあり、誰もが楽しめるものであること。 彼らは、プロのテイスターのために作っていません。それよりも普通の飲み手に向けて、ワインが普段の生活で人々の楽しみになることを目指して作っています。

全てのバラオンダに共通する点は、タンニンが完熟しているため、ボディがありながらも優しい甘みと丸みを感じること。 透明感のあるクリアな果実味が、ワインを親しみやすくかつエレガントな味わいに仕上げています。 樽熟ワインであっても、ブドウ本来の味わいを感じてもらうため、樽は決して支配的ではありません。全体としてワインのバランスが非常に良いものとなっています。